エビスダイとノコギリエイ

湘南の海として馴染みのある相模湾ですが、相模湾は水深1000m以上の深さのあるエリアで、実は世界的にみても生物の多様性が高い海ということを知っていましたか?

数多ある水族間の中でも深海魚を展示している水族館は多くありませんが、相模湾を目の前にする新江ノ島水族館には、「深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~」「深海Ⅱ~しんかい2000~」という2つの展示コーナーがあります。今回の記事では深海の未知な世界を展示しているえのすいの深海コーナーについてご紹介します!

深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~

水深200m以上の世界

深海とは一般的に水深200m以上の深さの海のことを指します。太陽光がほとんど届かない低水温と高水圧の世界は、人間が想像を絶するほどの過酷な環境です。暗闇とすさまじい圧力、低温が支配するそんな深海の世界の中でも生き物たちは、それぞれ独自の進化を遂げて過酷な環境に適応してきました。

jamstecとの共同研究

JASMTECとの共同研究

えのすいでは、JASMEC(独立行政法人海洋研究開発機構)と共同で、日本で初めてとなる化学合成生態系の生物を中心とした深海生物の長期飼育法に関する共同開発を行っています。さまざまな深海生物の長期飼育技術開発を行うとともに、その様子を逐次公開、深海研究の最前線を紹介しています。

深海の世界を再現した「化学合成生態系水槽」

化学合成生態系水槽

化学合成生態系水槽では、深海底の「熱水噴出域」と「湧水域」、そして「鯨骨域」の持つ3つの特徴を1つの水槽内に再現しています。

これらの3つの領域は海底に発生する特殊な環境のことを指し、地底の泥から硫化水素やメタンなどの炭化水素を発生させる領域を「湧水域」と呼びます。

「鯨骨生物群集」はクジラの死骸を中心に形成される生物群集のことを指しますが、クジラは生命を終えると海底に沈んでゆき、海底に沈んだクジラの肉をカニやサメなどが食べてしまい、最後に大きな骨だけが残ります。その残った骨は脂を多く含み、腐敗すると硫化水素を発生させます。

最後の「熱水噴出域」は、マグマによって熱せられた海水が周りの鉱物などを含んで300℃以上にもなる熱水として海の底から噴きあげる領域のことを指します。噴出した熱水は周りの冷たい海水で急に冷やされ、熱水の中に溶けていた鉱物が結晶となり、積もって柱状の構造物「チムニー」を作ります。

化学合成生態系水槽は、これらの特殊な環境に生息する深海魚の長期飼育法の研究開発を行っている世界唯一の水槽です。有人潜水調査船や無人探査機を使用しないと採集できない深海生物を水族館で見ることができるというのはすごいなんですよ!

ダイオウグソクムシも展示!

ダイオウグソクムシ

この水槽の中には、テレビなどでも話題となった世界最大のダンゴムシのなかま「ダイオウグソクムシ」、「オオグソクムシ」もいるんです!ダイオウグソクムシは、陸上に生息するダンゴムシと同じ仲間で、ダンゴムシの仲間とされる9,000種以上の中で世界最大のサイズとして知られています。

その大きさはというと、成長するとなんと体長約45cm、体重は1.7kgの大きさにも達するそうです!45センチというと犬や猫などの大きさなので、びっくりですね!

また、肉食性のダイオウグソクムシは“海の掃除屋”として知られており、生物の死骸や弱って動きが鈍くなった生物を捕らえて食べるほか、海面から落ちてくる有機物なども食べるんですよ。

ダイオウグソクムシのの他にも、珍しい深海魚がたくさん展示されているので、どんな深海魚がいるのか見てみてください!

キホウボウ

深海Ⅱ~しんかい2000~

しんかい2000

しんかい2000

深海Ⅱのコーナーでは、有人潜水調査船「しんかい2000」の実物を展示しています。

しんかい2000は深度2000mまで潜ることができることからその名前がついており、日本初の本格的な潜水船として深海の研究に大きく貢献しました。

1982年の1月から2002年11月までの20年以上にわたって、1411回にもおよぶ海洋調査を行ったそうです。その調査の役目を終えたあとは、2012年7月からえのすいにて常設展示されています。2017年8月7日には、「機械遺産」に認定されました。

コクピット

展示コーナーでは外観だけでなく、内部のコックピットまで見ることができます。コックピットは直径2.2mの超高張力鋼の球体でできており、その狭いスペースの中に3名が乗船できます。イスに座るのは副操縦士で、操縦士と研究者は床に横になって潜航調査の7時間を過ごすそうです。コックピット内は船外の海水により冷やされるため、エアコンのないコックピットでは厚着をしないと凍えるほどの寒さのようです。

ディープアクアリウム

ディープアクアリウムは高圧環境を作り出すことできる深海高圧環境水槽です。この水槽によって、深海で採集した生物を採取場所の水圧に保ったまま持ち帰ることできます。

迫力ある潜水艦とコックピットの様子や深海調査研究の歴史について見てみてくださいね!

まとめ

いかがでしたか?なかなか見ることのできない深海生物やしんかい2000の展示を行っていますので、それだけでもえのすいに行ってみる価値はあるかもしれません。一見、奇妙な見た目をしている深海生物ですが、その分未知の世界に触れることができるので、子供も興味津々になることでしょう。クラゲの展示やイルカショーだけではなく、ぜひ深海コーナーも覗いてみてくださいね!